アブセンティーズムとプレゼンティーズム 従業員の体調が企業に与える影響

近年“アブセンティーズム”と“プレゼンティーズム”と言う言葉を聞く機会が増えてきました。これは従業員の体調不良やメンタル不調が、企業に与える影響のことを指しています。
日本では、仕事の効率よりも長時間労働や、無理をしても頑張ることを美徳とする風潮があることから、今後課題としてさらに注目されることになってくるでしょう。

アブセンティーズムとは

「従業員が出勤していない状態」のことで、休職・欠勤・遅刻・早退などを指します。
突発的な場合は、業務の手配や引継ぎ・生産性の低下・引継ぎ者のモチベーション低下などが挙げられます。
また、長期的な場合は、突発的な場合に加え、人の配置換え・代わりの人の採用・復職後の対応などが生じます。
このようなことから、アブセンティーズムの経営損失は、当該従業員が休んでいる時間の損失だけでなく、周囲に与える景況も含めると、当該従業員の時間単価の3倍とも試算されています。

プレゼンティーズムとは

日本語に直訳すると「疾病就業」となります。仕事には出勤しているものの体調不良やメンタル不調から、健康時のパフォーマンスが発揮できていない状態のことを指します。
寝不足・二日酔い・花粉症などの軽微なものから、風邪などの疾病、さらには仕事が全く手につかない状態も含まれます。
調査では、花粉症でも3割程度パフォーマンスが低下すると報告されています。

一見すると、アブセンティーズムは従業員が出勤しておらず、プレゼンティーズムは能率が低下しているものの働いていることから、プレゼンティーズムの方がマシだろうと、思われる方もおられるでしょうが、実はプレゼンティーズムの方が経営損失はさらに大きいと言われています。
プレゼンティーズは、当該従業員の集中力や判断力の低下・ミスの増加・作業効率の低下などから、仕事のやり直し・仕事を任せられない・他の従業員へのしわ寄せなど、他の従業員のモチベーションも大きく下げてしまいます。
また、出勤していることから給料の支払い・残業時間の増加などもあるでしょう。さらに当該従業員が感染症などの場合は他の従業員に病気を感染させてしまうこともあり、経営損失はアブセンティーズムのさらに3倍とも試算されています。

アブセンティーズム・プレゼンティーズムの防止策

最初にも書きましたが「日本では、仕事の効率よりも長時間労働や、無理をしても頑張ることを美徳とする風潮があります」先ずは企業・従業員の双方が認識を改める必要があるでしょう。
企業側が行うことは「長時間労働の防止」「休日を最低週1日は取得させる」「ハラスメントの理解と防止」「声掛けや助け合いの奨励」などがあります。
従業員側は「1日7~8時間の睡眠」「バランスの取れた食生活」「過度の飲酒を避ける」「適度な運動」「禁煙の取り組み」「ストレス発散できる趣味などをもつ」「相談相手をもつ」など生活習慣の見直しや、ストレスを溜めないなど、健康な心身づくりの取り組みを行うことが求められます。

【文責:Nakaya(M&Pラボラトリー主任カウンセラー)
資格:キャリアコンサルタント・2級キャリアコンサルティング技能士】
年間1,800名以上のカウンセリングを実施。仕事の悩みだけでなく、プライベートの悩みや生活改善などもアドバイス。「いきいきと働き、いきいきと生きる」ことをサポートします。



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