女性特有の現象、生理

女性の構造を持ってこの世に生まれた方、以外の方達にも知っていただきたい内容ですので、生理について理解を深めてみましょう。

そもそも、生理って?

保健体育の時間にも習ったはずの〝生理〟について復習してみましょう。

医学用語だと「月経」と言いますが、「生理」の方が皆さん聞き馴染みがあると思うので、以後生理といいます。 女性の体は初経から閉経まで、妊娠・出産をする準備を定期的に行っています。通常生理は、妊娠・出産の可能性がある思春期に始まります。正常な生理周期は25~38日で、持続期間は、個人差もありますが3~7日程度です。毎月、受精卵を子宮の内側に着床しやすくするために子宮内膜が厚くなりますが、妊娠しない場合は不要になるので、剥がれ落ちて血液と一緒に膣から体の外に排泄されます。これが生理です。
さて、質問です。女性が生涯のうちに経験する生理の回数は、どのくらいか想像できますか?子供を産む回数が少なくなった現代の女性は、平均で約450回、生涯で生理を経験するとされています。妊娠していなければ、毎月、数日間、生理と共に過ごさなくてはならないのが、閉経まで約450回も続きます!生理用品で対処したり、血液が漏れたりしないかただでさえ気を使うのに、更には生理痛や生理に伴う心身の不調で悩まされる女性も少なくないのです!

生理には、特有の不調がつきまとうんです!

女性の体の構造をしていると、出産可能年齢になるとおとずれる生理ですが、ホルモンの影響によって様々な〝心と体の不調〟を起こしている方がとても多いのです。

この不調に悩まされている割合は、なんと女性の約3/4程度ともいわれています。その不調の内容は、生理痛や、過多月経(生理の経血が多すぎる)、PMS(月経前症候群)、MPDD(月経前気分不快障害)などです。
私も、女性の体の構造をしてこの世に生まれてきました。私の場合はストレスが強い時には、生理に伴う体の不調がかなり強くでる傾向があると自覚しています。
私の場合の生理に伴う不調とは、生理開始前から子宮付近の下腹部が強く収縮し痛みで悶絶したり、腰の骨が砕けたんじゃないか!と思うくらいの腰痛に襲われたり、胃が常にムカムカして吐き気をもよおしたり、下痢をしたり、顔色が「土気色になってるよ」と同僚に言われるくらい血の気が引いていたり。もうこうなると立っていたり、椅子に座ってお仕事をすることすらも辛かったので、男性が周りにいてもかまわず「今、生理です。」と堂々と周囲に言って、内服薬が効いてくるまで体を横にして休ませてもらったりしていました。私の場合、ストレスが強い時にはこのような不調が現れます。
一般的にはどのような心身の不調がでやすいかというと、心の不調は、感情の起伏が激しくなる、何もやる気がしなくなる、不安が付きまとう等です。体の不調は、乳房の張り、下腹部の張り、眠気、頭痛、腰痛、手足のむくみ、過食、全身倦怠感、吐き気等です。
日本の現状として、女性自ら「今、生理です」とは、まだまだ言いにくい世の中だと思います。ですが、出産可能年齢の間はほぼ毎月おとずれる生理によって、このような心身の不調に悩んでいる女性は約3/4いるという事実を、生涯で生理を経験することのない体の構造が男性の皆さんにも、ご理解いただきたいなと思います。

企業経営の視点からも、無視はできません!

子孫を残すために、女性に与えられた試練の多い生理現象ですが「そんなの、女なんだから、仕方ないだろう?普通に仕事しろよ。」と、目を背けていてはいけない現状をご存じでしょうか?

経済産業省では健康経営を推進する企業の今後の関心事項として、特に女性特有の健康問題対策に最も高い関心が寄せられていることがデータで明示されています。すでに健康経営に積極的に取り組まれている組織にとっては当たり前のことだと思われるかもしれませんが、健康経営の質をさらに高めるためには、今後は女性の健康についても重要視していく必要があります。
日本の全従業員数のうち約44%(2016年)は女性が占めています。この女性の健康に対する取り組みを増やすことで、企業の更なる活性化につながることが期待されています。例えば、女性特有の月経随伴症状による労働損失は、4,911億円と試算されているのはご存じでしたか?健康経営を通じて女性の健康課題に対応し、女性が働きやすい社会環境の整備を進めることが、生産性向上や企業業績向上に結びつくと考えられています。

生理に伴う心身の不調の出現や程度は、人それぞれです。社会的に生理休暇が整備されつつあるものの、生理休暇をとっている割合は2割程度といわれており、この数字を見る限りあまり活用されていないのが実情です。
生理や、それに伴う不調に対する周囲の理解、どうしてもお仕事ができない時には後ろめたさを感じずに生理休暇を取ることができる、職場の雰囲気・環境づくりなど健康経営を積極的に行っていくことで、さらに生産性の向上や、企業業績向上にも結びつくことが期待できます。健康経営をサポートさせていただく保健師としても、いち女性としても、女性が抱える健康課題への積極的な取り組みを組織全体で取り組んでいただけると、大変嬉しく思います。

文責:保健師 Murakami
Blog ラブ♡健幸



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