たった数日間、睡眠不足になっただけで〇〇しやすくなるって、本当!?
睡眠時間が短くなってしまい、寝不足気味になっている方、必見です!心の健康にも影響する〝睡眠〟について、いま一度、立ち止まって考えてみましょう。
たった数日間、睡眠不足になっただけで〇〇しやすくなっちゃう!?
心と体の健康を保つうえで重要な「睡眠」ですが、この睡眠がとれていないことで、心のバランスを崩しやすくなるということが、研究結果で明らかになっています。
睡眠研究の第一人者である三島和夫氏が行った睡眠不足に関しての実験調査では、健康な成人男性を対象として、睡眠が十分に足りている平均睡眠時間8時間5分と、睡眠時間が不足している平均睡眠時間4時間36分を比較したところ、睡眠不足の時には、他人の不快な表情を見た時に、不安や抑うつが強くなる傾向が確認されています。
睡眠不足になることで一時的な強い感情をコントロールする働きが落ちてしまい、情動をコントロールする働きが下がってしまうのです。つまり、十分な睡眠がとれていないと、些細なことであっても〝キレ〟やすくなったり、抑うつ的になるということなのです。
それでは、どのくらい睡眠不足になるとキレやすくなるかというと、睡眠不足の日数に関しては、なんとたったの2日間の睡眠不足だけで、ネガティブな情動刺激に対して敏感になることがわかっています。
ただし、睡眠不足が短期間続いただけでうつ病になるわけではありません。あくまでも〝睡眠が不足することで〟刺激に対して敏感になるということです。
あなたやあなたの周りにいる方は、睡眠時間が足りないことでキレやすくなっていませんか?
じゃあ、寝だめで何とかしたらいいんじゃないの?
皆さんのなかには、平日やお仕事の日の睡眠時間を補うために〝休日の寝だめ〟を行っている方もいると思います。さて、睡眠不足を解消する方法として〝寝だめ〟は、本当にいい方法なのでしょうか・・・?
結論から言うと、実はこの〝寝だめ〟は効果がないことがわかっています。
アメリカのコロラド大学の研究チームは、平日の睡眠不足を補う〝寝だめ〟は、睡眠不足を十分に補えず効果がないことがわかったと、科学雑誌カレント・バイオロジーで発表しています。
睡眠についての様々な研究結果では、成人の場合ほとんどの人が6~8時間程度の睡眠が必要だと考えられていますが、そもそも睡眠は大きな個人差があり、何時間眠ればいいのかは人によって違います。そのため、一概に何時間睡眠をとれば大丈夫!という指標があるわけではありません。
寝だめで休日に睡眠の帳尻合わせをするのではなく、日ごろからお仕事の日や休日の睡眠バランスを調整していくことが、些細なことでキレたりしない健康な心の状態を維持していくためには大切なのです。
睡眠をとるポイントを簡単に教えて!
睡眠不足によって心のバランスを崩さないために、理想に近い睡眠をとるにはどうしたらいいのか。睡眠をとる時のポイントを、3つだけお伝えします。
①寝だめ分をお仕事の日(平日)に分散する
休日に昼まで寝るという寝だめをするのではなく、平日に30分だけでも、1時間だけでも早く寝ることで、日ごろから極端に睡眠不足になることを防ぎましょう。
②夜間の照明は温かみのある暗めの照明にする
スマートフォンや明るい光を発するものを避け、部屋全体を温かみのある色合いのライトで、暗めにしておくことで眠りに入る環境や状況を整えましょう。
③朝10時~11時の光を浴びて体内時計を朝方にする
時計遺伝子である体内時計を定期的に朝リセットし、午前中に日に当たる時間を増やして、体内のリズムを整えることも、睡眠をとるうえでは重要なポイントとなってきます。
睡眠状況を改善しようと思っても、一気に良い状態に改善するのは難しいと思います。まずは、ご自分が取り組みやすい方法を選択し、頑張らずにすぐにできることから取り組んでみてくださいね。
繰り返しになりますが、適切な睡眠時間の量は人それぞれです。一番大事なのは、自分に合った睡眠をとることです。いま一度、ご自身の心と体の健康にとって重要な〝睡眠〟を見直し、心も体も健康な日々を送っていきましょう。
参考・引用
・筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構
・東京医科大学 精神医学分野 産業精神医学支援プロジェクト 医学的根拠に基づく職域のメンタルヘルス・マネジメント
・厚生労働省 ℮ヘルスネット 〔情報提供〕
株式会社M&Pラボラトリー 保健師 Murakami
- 文責:保健師 Murakami
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