高血圧が別名「静かなる殺し屋」と呼ばれるゆえんとは?

高血圧ってどのくらいの値からなの?

成人の場合、収縮期血圧といわれる上の血圧が140mmHg以上、拡張期血圧といわれる下の血圧が90mmHg以上の場合、高血圧といいます。
高血圧と診断されるのは、上の血圧・下の血圧、どちらか一方が基準を超えている場合です。

統計では、高血圧は30代から増えはじめ、60代では男女ともに約6割の方が高血圧と診断されています。
男女比では、各年齢すべてで女性よりも、男性の方が多いという結果となっています。

年齢を重ねることで高血圧になる方は増加しますが、血圧が上がる理由は加齢だけではありません。
加齢の他にも、食事・運動習慣・睡眠・ストレス等、血圧が上がる要因はたくさんありますが、そのなかでもメジャーな要因である〝食塩を摂り過ぎると血圧が上がる理由〟についてご存じでしょうか?

塩分を摂り過ぎると、どうして血圧が上がるの?

体の中の塩分濃度、つまり水分と塩分の割合は、通常一定に保たれています。
血液中の塩分の濃度も一定に保たれているのですが、塩分は体にとって必要不可欠なものなので、無さ過ぎても、逆に有り過ぎても、私たちの体にとっては悪影響が起こります。

塩分を摂り過ぎた時の体の反応としては、体は濃くなった塩分濃度を下げるために、体内の水分を増やそうとします。
つまり、水分を摂って体の塩分濃度を薄めようとするのです。
しょっぱいものを沢山食べた時や、しょっぱいものを飲んだ時に、喉が渇いて水分を飲みたくなるのは、体内で塩分濃度を薄めようとしているからなのです!

そして、塩分をとった時に、水分補給をしたことによって体の中の水分が増えると、血液の量も増えます。
水分が多い血液を心臓から全身に送るためには、心臓から強い圧力をかける必要があるので、血圧が上がる、という仕組みです。

このように、血圧が上がり、血管に圧力がかかり続ける高血圧の状態を放置すると、命に関わる病気に繋がる恐れがあります。
しかし、高血圧は違和感や苦痛を伴う自覚症状があまり出ないという特徴があるので、症状が出た時には命に関わる状況になる可能性が高いことから、別名「静かなる殺し屋(サイレントキラー)」と言われているのをご存じでしたか?

「静かなる殺し屋」と呼ばれる高血圧を予防するためには?

高血圧を放置すると、心臓から送り出された血液を運ぶための動脈に圧力がかかり続けることになります。
その状態が続くと血管が硬くなり、しなやかさを失った状態、つまり動脈硬化になりやすくなります。

高血圧になっても自覚症状はほとんどないため、放っておく方が多いのも事実なのですが、実は高血圧を放っておくと、命に関わる重大な病気にかかりやすくなります。
血管は、全身に張り巡らされていますので、どこか1ヵ所だけが動脈硬化になるということはなく、全身の血管に影響が出ます。
脳の血管が動脈硬化になると脳卒中、心臓の血管が動脈硬化になると心筋梗塞や心不全、腎臓の血管が動脈硬化になると慢性腎臓病になりやすくなります。
いったん動脈硬化が進行すると、それを改善するのは難しいのが実情です。だからこそ、動脈硬化にならないよう〝予防〟することが大事になります。

日本人は特に、食塩に対する反応が強く出やすい傾向があるといわれており、食塩を多く摂ると血圧は上がりやすくなります。
逆に考えると、減塩を続けることで、血圧を下げる効果が大きいことが期待できるのです!

自覚症状があまり出ることなくじわじわと動脈硬化が進行し、放っておくと命に関わるのが高血圧の怖いところです。
「静かなる殺し屋」とも呼ばれる高血圧の進行を食い止めるために、今日から、日常でできる減塩対策に取り組んでみませんか?


株式会社M&Pラボラトリー
文責:保健師 Murakami
Blog ラブ♡健幸

〈参照〉
日本高血圧学会 
℮-ヘルスネット(厚生労働省) 



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