矛盾だらけ!モヤモヤストレスの原因「認知的不協和」

認知的不協和とは

認知的不協和(Cognitive Dissonance)とは、個人の考え方や信念、行動、価値観などに矛盾が生じて、モヤモヤしてストレスを感じている状態のことを言います。
例えば「健康を重視している!」と言う人が、タバコを吸っている場合、その人は認知的不協和に陥っている状態と言えます。
このような認知的不協和の状態に置かれた人は、矛盾を解消するために、自分の信念や行動、価値観を変えて合理化しようとします。そのため、認知的不協和は、個人の行動や判断に影響を与える要因の一つとなります。
タバコの例であれば、矛盾を解消するために「タバコを吸うことでストレス解消になり、精神的に良い!」などと認知を変えて正当化するなどです。しかし、認知変えても、矛盾は解消されておらずモヤモヤストレスは継続することになります。
また、認知的不協和の問題点は、自分だけにとどまらず、他人にまで矛盾を押し付けたり、矛盾を感じさせててしまうことにあります。
タバコの例であれば、社内禁煙が進まず、その他の社内ルールも緩くなってしまったり、喫煙者のタバコ休憩に非喫煙者が不満を感じるなどが挙げられます。

認知的不協和の悪影響

継続的なストレス
自分自身の中で、相反する考えや行動に矛盾が生じているにも関わらず、無理やり認知を変えて正当化しているので、解決しないストレスが継続します。
モチベーションや成長意識の低下
「自分は問題解決できない」と失敗体験として認知してしまうことから、自己肯定感やモチベーションが低下し、行動や挑戦することにブレーキがかかり、成長意識の低下につながってしまいます。
対人関係の悪化
自分の考えを正当化するために、異なる意見に反発したり、他人の意見を受け入れなくなります。その結果、協調性やチームワークが悪化してしまいます。また、会議などでも意見がまとまりにくくなります。
判断力やパフォーマンスの低下
他人の意見やアドバイスを受け入れなくなるため、情報が入りにくく判断材料が少なくなることから、判断力が低下し、その結果パフォーマンスも低下してしまいます。

職場における認知的不協和

職場における認知的不協和は、個人の考え方や信念、価値観などが、会社の方針と合わないと感じている状態の時に起こります。
・ワークライフバランスが良くない。仕事が忙し過ぎる。プレッシャーが多い。
・自分の頑張りが正当に評価されていない。
・怒られることはあっても、褒められることが無い。人間関係が良くない。
・自分の能力が活かせていない。仕事にやりがいを感じない。成長やキャリアアップが望めない。

などが挙げられます。
このような、認知的不協和が生じると、仕事へのモチベーションや生産性が低下するなど、また会社に対し批判的にもなってしまいます。そして「愚痴」と言う形で周囲へ広がってしまうこともあります。
認知的不協和が起こりにくい環境にするには、従業員とのコミュニケーションを密にし、従業員の意見を反映することや、会社の方針などを明確に末端の従業員にまで伝えることが重要となります。

家庭における認知的不協和

家庭における認知的不協和の例としては、以下のようなものが挙げられます。
・親子間では、進路についてや、子供にスマートフォンをいつ与えるかなど。
・配偶者間では、金銭感覚や家事分担、教育方針の違いなど。
・介護や相続の問題など。

家族間では、遠慮無く言いたいことを言ってしまうことが認知的不協和一つの原因になります。また「言わなくても分かってくれているだろう」と、言葉足らずが誤解を生じさせてしまい認知的不協和になる場合もあります。
子供に対しては、頭ごなしに否定するのではなく話を聞き、親の価値観のみを押し付けないように話し合いをしましょう。
また、配偶者間であれば、性別役割分担意識で役割を決めていないかなどを意識することが大切です。
介護や相続の問題は、話しにくいことかも知れませんが、親が元気なうちに話し合っておくことがトラブルを起こさないことに繋がります。

先程の、タバコの例のように自分自身だけの認知的不協和からストレスを感じることもありますが、自分の矛盾を正当化するために、他人に対しても矛盾を押し付け、他人のストレスを増大させてしまうこともあります。結果的に人間関係を悪化させてしまい、そして人間関係の悪化は、自分のストレスをさらに増大させてしまうことになってしまいます。

認知的不協和の改善方法

1.優先順位をつけ下位の考えや行動を諦める。
タバコであれば、喫煙か、健康重視かのどちらかを諦めることです。
2.相手の立場を理解する。
自分の立場や考え方に固執するのではなく、相手の立場や考え方を受け止め、共感するように努めましょう。方法としては、自分の意見と反対の意見で考えてみることです。タバコであれば、非喫煙者がどんな思いや、ストレスを感じているのだろう?と考えることで、相手の気持ちが理解できます。
3.妥協点を決め共通のルールを設定する。
社内の喫煙ルールであれば「1日3回、10時・昼休憩・3時で、1回の時間は5分まで」などと双方が一致したルールであれば、認知的不協和を解消することができます。
4.第三者に仲裁役として介入してもらう。
夫婦間の問題であれば、カウンセラーなど中立的な立場の人間に客観的な意見やアドバイスをもらうことで冷静に判断することができ、認知的不協和の解消につながるでしょう。

最後に

認知的不協和の解消には、モヤモヤ考えているだけでなく、言葉にしたり、書き出したりすることで原因や目的も明確になり整理が進みます。
そして、相手がいる場合は、話し合いやコミュニケーションをとり、妥協点を見つけることです。
また、自分自身の認知的不協和を解消するには自己理解を深めることです。自分とのコミュニケーションとも言えるでしょう。
ご自身のモヤモヤストレスの原因が認知的不協和にないか?考えてみられる参考にしていただければと思います。


【文:Nakaya(M&Pラボラトリー/チーフカウンセラー)
資格:キャリアコンサルタント・2級キャリアコンサルティング技能士】
年間1,500名以上のカウンセリングを実施。仕事の悩みだけでなく、プライベートの悩みや生活改善などもアドバイス。「いきいきと働き、いきいきと生きる」ことをサポートします。



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