コミュニケーション力向上 オープンクエスチョンとは?
今回は「コミュニケーション力向上 オープンクエスチョンとは?」と言うテーマで進めさせていただきたいと思います。
オープンクエスチョンは、雑談が苦手と言われるレベルの方から、トップ営業マンまで、幅広く使えるテクニックです。
なお、トップ営業マンと言われる方は、ほぼ全ての方が使っていると言っても過言ではないテクニックだと思います。
オープンクエスチョンとは
オープンクエスチョンを理解するには、相反するクローズクエスチョンも併せて理解する必要があります。
先ずオープンクエスチョンとは、あなたがした質問に対して、相手が「はい」もしくは「いいえ」では返答できない質問となります。
相反する、クローズクエスチョンでは、あなたがした質問に対して、相手が「はい」もしくは「いいえ」で返答できる質問となります。
例えば、昼食について質問をした場合・・・
オープンクエスチョンでは「昼食は何を食べましたか?」となります。
相手は「はい」「いいえ」では返答することができないので、例えば「カツ丼を食べました」などの返答となります。
対して、クローズクエスチョンでは「昼食は食べましたか?」となります。
相手は「はい」「いいえ」だけで返答することができます。
このように、クローズクエスチョンの「はい、いいえ」だけで返答されてしまうと、話が完結してしまうので、会話が続かなくなり、また別の話題で質問したりすることになります。そして、最後にはネタが尽きて、会話が弾まず、沈黙となり、気まずい雰囲気になってしまいます。
このような経験をされた方はたくさんおられるのではないでしょうか?
それに対し、オープンクエスチョンでは「カツ丼を食べました」との返答の後に・・・
「どこのお店でカツ丼を食べたんですか?」「他にもおススメのメニューはありますか?」・・・など、さらにオープンクエスチョンを重ねることで、会話が続きやすくなります。
雑談が苦手と言う方にとっては、質問の仕方を意識してオープンクエスチョンにするだけで苦手意識が克服できることが期待できるのです。
なんせ、自分が次々に話題を提供する必要が無く、相手に話してもらうと言うことなのですから。
日本のことわざに「話し上手は聴き上手」と言うのがありますが、さらに上を行くのが「話させ上手」なのです。つまりはオープンクエスチョンと言うことなのです。
ちなみに、以前TV放送されていた、お昼の番組で、友達つながりでゲストを招いてトークをしていたMCのTさんは、このオープンクエスチョンが抜群に上手な方です。
トップ営業マンのオープンクエスチョン
ビジネス書などで「トップ営業マンは仕事の話をしない!」などと書かれているものを読まれたことがある方もおられるのではないでしょうか?・・・
では、ここで一例を挙げたいと思います。
私はカウンセラーもしており、ある商社の営業マンの方からのご相談でした。
その方からのご相談は・・・
営業マン:「入社してから数年経過し、仕事にも慣れ商品知識もついているのですが、営業成績が伸び悩んでいるんです。なんなら入社当初の方が契約はとれていたぐらいです。」と言うご相談でした。
私:「今はどのように営業されているんですか?。」
営業マン:「しっかり商品説明もできているのですが・・・。」
私:「入社当初はどのように営業されていたんですか?。」
営業マン:「知識が無かったので、お客様の話を聞くことしかできませんでした。」
このようなやり取りの中から、現在は商品説明をしっかりしないといけないとの思いが先行し、自分ばかりが話し、お客様の話が聴けていないのでは?と言うことが想定されました。
私が、そのことを伝えると・・・
営業マン:「おっしゃる通りだと思います。自分が説明することに一生懸命になっていて、お客様の話を聴けていなかったと思います。初心に帰ってお客様の話を聴くようにしてみたいと思います。」とおっしゃられました。
後日、その営業マンの方からは、成績が改善方法に向かっているとのご報告をいただきました。
皆様はこの事例をどのように思われますでしょうか?
多くの方が「そうだよね、一方的に営業されると、押し売りのように感じちゃうよね?」と思われるのではないでしょうか?
しかし、自分が営業側に立った時、お客様の限られた時間の中で、いかに商品の魅力を伝えるかに意識が向いてしまうのも事実だと思います。
トップ営業マンと言われる方々は、いきなり自分の売りたい商品の説明をするのでは無く、先ずはアイスブレイクや雑談を通して、お客様の困りごとなどを聞き出し、ニーズに合った情報提供を行うからこそ契約が取れるのです。
また、お客様も自分の話を聴いてくれる相手には信頼感を持ちやすくなります。
そして、信頼関係が築けてしまえば、次に営業に伺った際も成約率は高くなることでしょう。
「トップ営業マンは仕事の話をしない!」と言うのは極端かもしれませんが、先ずは、お客様の話を聴くこと、そしてニーズを把握することが大切なのです。
オープンクエスチョンはその際に重要なテクニックとなります。
まとめ
多くの方は「自分の話を聴いてほし」「自分に興味をもって欲しい」「共感や承認してほしい」と言う欲求を持っています。
そして、その欲求を叶える入口となるのが話を聴いてあげることです。
そして話を上手に聴くテクニックがオープンクエスチョンなのです。
全ての会話をオープンクエスチョンでつなぐことは無理がありますが、要所要所にオープンクエスチョンを入れていけば良いと思います。
最初は意識的してオープンクエスチョンをしていただければ良いと思いますが、慣れてくると無意識でできるようになってきます。
皆さんも是非「話させ上手」を目指していただければと思います。
- 【文:Nakaya(M&Pラボラトリー/チーフカウンセラー)
資格:キャリアコンサルタント・2級キャリアコンサルティング技能士】
年間1,500名以上のカウンセリングを実施。仕事の悩みだけでなく、プライベートの悩みや生活改善などもアドバイス。「いきいきと働き、いきいきと生きる」ことをサポートします。
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