上手な話の聴き方【傾聴とは】

目次
傾聴とは 来談者中心療法

皆さんは、友人からの相談を親身に聴いていて、何もアドバイスしていないのに、友人が勝手にしゃべって、勝手に納得して一人で解決してしまう。なんて言う経験をされたことは無いでしょうか?
相談を聴いていたあなたは「解決したなら良いけど、何だったの?」って思ってしまうかも知れませんが、友人が解決に至ったのには、ちゃんと理由があります。
友人は話すことにより自分の中で洞察が進み、問題の原因や課題や目標が明確になることにより自己解決に至ったからなのです。
しかし、友人が自己解決に至ったのは、あなたの聴き方が上手だったからかも知れませんね。

と言うことで、今日は「聴き方の基本」について解説していきたいと思います。
私たちカウンセラーと言うと「アドバイスする人」と思われがちですが、実は「聴く」が最も重要で、カウンセリングの勉強を始める際、最初に「来談者中心療法」と言うのを学びます。

「来談者中心療法」とは

カウンセリングの先進国であるアメリカで、1940年代にロジャーズにより提唱されました。ロジャーズは「人間は成長力を内に秘めており、自分の問題は自分が一番よく知っている」と考え、指示や指導・アドバイスとは異なる、人間的な支援の意義(効果)を唱えました。すなわち指示や指導・アドバイスが優先してしまうと「本人が持つ自己成長の可能性を阻害してしまう」と考えたのです。

では、来談者中心療法とは具体的にどんなものかと言うと、相談者の話をしっかり聴く「傾聴」することが基本となります。

傾聴は3つの要素に分かれており「受容的態度」「共感的理解」「自己一致」です。

「受容的態度」とは、相談者の存在全てを肯定的な態度を持ち受け入れること。
「共感的理解」とは、相談者の感情を、自分自身の事として理解しようとすること。
「自己一致」とは、受容的態度と共感的理解に嘘がないことです。表面的に聴いているふりではダメと言うことですね。

皆さんは相談を受けた際に、ついついアドバイスに走っていないでしょうか?先ずはしっかり話を聴くことが大切と言うことです。
カウンセラーは、相談者が「う~~~ん」と考えを巡らせている時、口をはさむことなく沈黙にお付き合いします。その考えている時間こそ自己洞察が進む時間だからなのです。

最後にネタ的な話ですが、カウンセリングでは「聞く」ではなく「聴く」の漢字を使用します。「聴」と言う字を分解すると「耳+(プラス)目心」になります。耳と目と心を使って相手の話をしっかり聴くと言うことなのです。

【文責:Nakaya(M&Pラボラトリー主任カウンセラー)
資格:キャリアコンサルタント・2級キャリアコンサルティング技能士】
年間1,800名以上のカウンセリングを実施。仕事の悩みだけでなく、プライベートの悩みや生活改善などもアドバイス。「いきいきと働き、いきいきと生きる」ことをサポートします。



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