社員の自殺、会社の対応、他の社員へのメンタルケア

社員の自殺

社員の自殺、「自分の会社は起こらないだろう、起こってほしくない」と思っていても、いつ何が原因で、その様な事態になるか分かりません。
自殺の原因が、会社や仕事以外のことであっても、ご遺族への対応や、他の社員へのケアは必要になってきます。
また、原因が、会社や仕事に関わることであれば、より繊細なケアが必要になってくるでしょう。
自殺は、それだけ周囲に大きな衝撃を与えるものなのです。

PTSD「心的外傷ストレス障害」とは

他の社員へのメンタルケアをおこなうことにより、PTSDの発症の防止や軽減することができます。
PTSD(Post Traumatic Stress Disorder)とは、日本語で「心的外傷後ストレス障害」と言います。
・強烈な心的外傷体験を経験したことにより、時間が経過した後も、フラッシュバックや悪夢により、心的外傷体験と同じような感覚を繰り返してしまう(侵入的再体験)。
・その場所や同様の場所、また同様の状況などに近づけない(回避症状)。
・自分を責めてしまう、誰も信用できなくなる、楽しさを感じにくくなる(認知と気分の陰性の変化)。
・常に危険を感じる、怒りっぽくなる、怯える、集中力の低下、睡眠障害、薬物やアルコールに依存することなどの症状を起こすこともあります(覚醒度と反応性の著しい変化)。
上記のような症状が、心的外傷体験から、1ヶ月以上継続する場合や、1ヶ月以上経過してから症状が悪化する場合「PTSD」と診断されます。また、1ヶ月以内に症状が治まった場合は「急性ストレス障害」と診断されます。

他の社員への影響

・自殺の目撃や、亡くなられた方と関係が深かった方については、特にPTSDを発症するリスクは高くなり、よりメンタルケアが必要になります。
・自責や罪悪感「自分がきっかけになったのではないか?」「様子がおかしいと感じたが何もしなかった」「気づいてあげられなかった」など。
・犯人捜し、会社や同僚への不信感など、表立っていなくても、様々な憶測が飛び交うことに。
・上記などのことから、欠勤、休職、退職者が出ることも。

他の社員への対応

会社も、他の社員の方々も、自殺の話題をタブー視しがちになってしまいます。しかし、情報不足となることから「憶測」や「不信感」を生じさせてしまいます。できる範囲での情報共有をすることが望ましいとされています。また、話し合う機会が無いと「自責」や「罪悪感」を一人で抱え込んでしまうことにもなってしまいます。話し合いの場を設け共有することにより「自分だけではないんだ」「皆おなじ気持ちなんだ」と感じることで自責や罪悪感も軽減することができます。
また、急なことで「実感がない」「明日普通に出勤される気がする」と言われる方も多くおられます。時間の経過とともに徐々に現実化してくる場合もあります。また、通夜や葬儀で急に現実化する場合もあるので、参列については希望者のみにとどめた方が良いでしょう。
体調や精神的に不調を訴えられる方がおられる場合は、速やかに医療機関や専門家へ相談するようにしてください。
上記の対応などが、望ましいとされていますが、繊細なことであり、ケースバイケースもあります。従業員の希望や要望を聞き、必要に応じた対策をとることが望ましいでしょう。

他の社員へのメンタルケア、カウンセラーが伝えたいこと

弊社(㈱M&Pラボラトリー)にも「社員が自殺し、他の社員のメンタルケアをしてほしい」と、毎年数件のご依頼があります。
社員の方々の話には「自分が自殺のきっかけになったのではないか?」「なぜ気づいてあげられなかったのだろうか」など「自責」や「罪悪感」の言葉もあります。
また、ほとんどの方が「そこまで追い込まれていたのなら逃げてもよかったのに」「会社を辞めてもよかったのでは・・・」など話されます。
しかし、その言葉の後に「自分はこの現実に向き合わないといけない」「自分はこの現実から逃げてはいけないんだ」と話される方もおられます。
自殺された方には「逃げろ」と言われるのに「自分は逃げない」と言われる・・・
この矛盾した発言に気づいていただきたいと思います。

人は、他人にアドバイスできても、自分が同じ状況になった時、他人にアドバイスしたように行動できないことが多くあります。
「自分は逃げない」と発言されていない方々にも同じことを伝え、場合によっては「逃げる」ことも必要であることを、お伝えしています。
自殺でのメンタルケアで最も重要なのは「第二の自殺者にならないこと」そして「心と身体を健全にすること」だと思います。

最後に

自殺の原因は、色々あると思います。
大きなストレスが一気にくることもあるでしょう。また、小さなストレスが積もり積もって大きなストレスになることもあります。
日頃から、相談相手を持ち、自分一人で抱え込まず、意識してストレス発散していくことが大切だと思います。

【文責:Nakaya(M&Pラボラトリー/チーフカウンセラー)
資格:キャリアコンサルタント・2級キャリアコンサルティング技能士】
年間1,800名以上のカウンセリングを実施。仕事の悩みだけでなく、プライベートの悩みや生活改善などもアドバイス。「いきいきと働き、いきいきと生きる」ことをサポートします。

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