リラクゼーション「漸進的筋弛緩法」

リラクゼーションとは

リラクゼーション(Relaxation)とは心理学において、心身の状態が低緊張の状態にあり、緊張や不安から解放されていている状態のことを言います。
リラックスできている状態では、身体の機能を自動でコントロールしている自律神経は、副交感神経が優位にはたらきます。逆に緊張や興奮している状態では、交感神経が優位にはたらきます。
交感神経は別名「闘争の神経」や「逃走の神経」とも呼ばれており、交感神経の優位な状態が続くと「脳」「神経」「細胞」などにダメージを与えてしまいます。このような状態が継続することで疲労やストレスが蓄積してしまうため、緊張や興奮を沈め、心身をリラックスさせることが重要になります。
今回は、リラクゼーションの一つの手法である「漸進的筋弛緩法」について説明していきたいと思います。

漸進的筋弛緩法とは

「漸進的筋弛緩法」・・・すごくたいそうな漢字の羅列ですが、「ぜんしんてききんしかんほう」と読みます。
漸進的筋弛緩法は、生理学者のエドモンド・ジェイコブソンが1920年代に開発し「筋肉の緊張と弛緩」を繰り返しおこなうことで、心身をリラックスさせる方法です。

漸進的筋弛緩法を行う準備

・環境は、できるだけ静かでリラックスできる場所が望ましいです。ゆったりした音楽が流れているのも好ましいでしょう。
・服装はなるべく締め付けがきつくないものが望ましいです。
・身体の姿勢は、座った状態でも、横になった状態でもOKです。座った状態で行う際は、姿勢を正し椅子の背もたれにはもたれないようにし、猫背にならないようにして行って下さい。
・「リラックスできる環境が望ましい」と書きましたが、電車での移動中など、ちょっとした合間でも場所を選ばず可能な部位で行っていただければ良いかと思います。

漸進的筋弛緩法の基本動作

①深呼吸を数回、ゆっくり深く行いましょう。
②漸進的筋弛緩法をおこなう筋肉に「グッ」と力を入れ5〜10秒間程度キープします(筋肉の緊張)。力の入れ具合は70〜80%ぐらいが良いとされています。疾患や痛みなどがある方は無理せず、力を加減していただき、できる部位だけされると良いと思います。
③その後、一気に力を抜いて脱力させます10〜20秒程度(筋肉の弛緩)。深呼吸をゆっくり行いながら、力が抜ける余韻を感じ、自分の力が抜けた状態を体感体得しましょう。
④上記を数回繰り返します。特に回数が決められている訳ではありませんが一か所3〜5回程度で、次の部位へ進みましょう。くれぐれも呼吸をすることを忘れないようして下さい。
弛緩状態を体得することにより、自分が緊張状態になった時、分かるようになります。そのことが緊張を継続させない気づきとなります。

漸進的筋弛緩法【部位別】

・【肩】両肩を上げ、首をすぼめるように力を入れて緊張させます。その後力を抜きます。
代表的なものが肩です。既に行っている方も多いと思います。
・【背中】手のひらを上から外側に向け、背面へ引き付けます。胸を大きく開き肩甲骨がしっかり寄るように力を入れます。その後力を抜きます。
・【首】右にひねります。その後力を抜きます。左も同様に行いましょう。
・【両手】両手をこぶしにして力を入れて握ります。その後力を抜きます。
・【上腕】握ったこぶしを肩に寄せ力を入れます。その後力を抜きます。
・【足1】膝とつま先を伸ばし、足全体に力を入れ緊張させます。その後力を抜きます。
・【足2】膝を伸ばし、つま先を膝の方に曲げ、力を入れて緊張させます。その後力を抜きます。
・【お腹1】お腹に手を当て、その手を押し返すように、お腹に力を入れます。その後力を抜きます。
・【お腹2】お腹をぐっとひっこめます。その後力を抜きます。
・【顔1】鼻を中心に口や眉を中央に寄せるように力を入れます。瞼もギュッと閉じましょう。その後力を抜きます。
・【顔2】口を大きく開け、目を大きく見開きます。舌も出すと良いですね。その後力を抜きます。
・他の部位でも同様に力を入れ緊張させた後、力を抜いて弛緩させて下さい。

まとめ

電車での移動中などでは、顔の漸進的筋弛緩法ちょっとできないかも知れないですね。しかし長時間の座ったままでの移動や、オフィスでの業務、また在宅業務では下半身を動かさないことによるエコノミー症候群の発症リスクが高まります。【足1、2】においては、第二の心臓と言われている「ふくらはぎ」を動かすのに効果的ですので、定期的に行われると良いでしょう。
また、先にも書きましたが、自分の緊張状態と弛緩状態を体得することで、緊張状態が過剰になる前に気づくことができるようになるのです。是非皆さんも日頃の生活に取り入れるようにして下さい。

【文責:Nakaya(M&Pラボラトリー/チーフカウンセラー)
資格:キャリアコンサルタント・2級キャリアコンサルティング技能士】
年間1,800名以上のカウンセリングを実施。仕事の悩みだけでなく、プライベートの悩みや生活改善などもアドバイス。「いきいきと働き、いきいきと生きる」ことをサポートします。



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