「始める」「続ける」より「やめる」方が難しい『仕事編』
皆さんこんにちは、今回のコンテンツは“「始める」「続ける」より「やめる」方が難しい『仕事編』”について説明していきたいと思います。
皆さんの会社は、業務改善に向けた取り組みに力を入れられていますでしょか?
そして、改善に向けて、新たなルールやそれに付随する業務、例えば報告書などは増える一方にはなっていないでしょうか?
よくよく考えてみたら「結構な時間を取られているよね。」「この時間があればもう少し本業務がはかどるんだけどな。」なんて言うことはありませんでしょうか?
その業務って本当に必要なのでしょうか?
「せっかく始めたことだから」「習慣化している」「定着している」「いまさら止めるのももったいない」などで「大して役には立っていないけどそのまま続けている」と言う惰性業務になってはいないでしょうか?
往々にしてあることですが、このようにルーティン化している惰性業務に対しては「思考が停止状態」になっており、誰も疑問にも思わなくなってしまい、やめると言う発想すら出てこなくなっていることがあります。
惰性業務が短時間であれば短時間であるほど、より放置されがちになります。
また従業員のみの業務であれば、経営者や管理者はその業務を自らがしていないことから当事者意識は薄くなり「再検討する」と言う疑問すら持たなくなります。
また、従業員も会社から指示された業務であり、疑問を持たずに継続していることもありますし、もし疑問に感じていても「やめましょう!」とは言いづらいと言うのもあるでしょう。
惰性業務はモチベーションの低下にもつながる
しかし、疑問を持ちながら惰性業務が増えるばかりであれば、従業員のモチベーションは大きく低下してしまいます。そして、こなすことだけが目的となってしまいます。その結果、内容が薄いものなってしまい、なおさら意味の無いものになってしまうでしょう。
埋没コスト
このような惰性業務にかかるコストのことを「埋没コスト」と言い生産性を低下させている要因の一つとなっています。このような惰性業務が複数あると「埋没コスト」が膨大に膨れ上がっているのは想像していただけるかと思いますが、実際にコスト計算していただくのが一番分かりやすいと思います。
例えば、時給1,000円のアルバイト50名に、毎日30分かけて報告書を作らせている場合・・・
30分の給与500円 × 50名 × 年間出勤日数200日 = 年間5,000,000円の経費がかかっていることになります。
いかがでしょうか?やめてしまってもいい惰性業務を、真剣に検討してみよう、と言う気持ちになられたのではないでしょうか?
惰性業務を見直すポイント
①その業務の目的は何なのか?目的に合っているのか?
②重複していないか?
③社内業務を平等化するために、必要の無い部署まで同じ業務をさせていないか?
④自動化や効率化、アウトソーシングはできないのか?
⑤無くすことができなくても簡素化はできないのか?
⑥労力や時間をコストに換算して、得られる結果に見合っているのか?
⑦その業務をやめることにより、どれだけ生産性が上がるのか?
以上で見直しを検討いただければと思います。
やめるか悩んだときは
やめるか悩んだときは、1か月お試しでやめてみましょう。やめるだけなので、余計な経費がかかる訳でもなく、逆に経費は浮くことになると思います。
そして1か月後、やめたことによるメリットとデメリットを検証してみましょう。
多分ですが「悩む」程度のことだったのであれば、最初からやめてしまっても大して影響なかった業務の可能性は高いと思います。
新たに始める際に気を付けるポイント
とりあえずで始めないことです「とりあえず始めてみるか・・・」は結構言いがちですが、これはNGワードです。
とりあえずと言うことは「核心的な効果も確定できていない」状態です。この状態で始めて、ルーティンに組み込んでしまうと惰性業務になってしまう可能性が高くなります。
しかし、どうしても「とりあえず」で始めないといけないのであれば、あらかじめ「検証」のスケジュールを組んでおくことです。
ただし、新規事業の場合は「とりあえずやってみないと分からない」と言うこともあると思います。その際も「検証」を前提に始められれば良いと思います。
そして、何かを始める際は、別の何かをやめることを検討いただくのも大事だと思います。
まとめ
「始める、続ける、やめる」を簡単な順に並べ替えると以下になります。
①続ける
②始める
③やめる
タイトルの通り“「始める」「続ける」より「やめる」方が難しい”と言うことをご理解いただけたかと思います。
何かをやめることにより、本業務の生産性が向上することも期待できますし、空き時間ができても良いと思います。その時間で新しいことを始めなくても「心身をリラックスさせる」「コミュニケーションの場を設ける」「今や将来について考える」なども良いと思います。
「やめることで始まる気づき」もありますので、一度考えてみることをお勧めします。
- 【文:Nakaya(M&Pラボラトリー/チーフカウンセラー)
資格:キャリアコンサルタント・2級キャリアコンサルティング技能士】
年間1,500名以上のカウンセリングを実施。仕事の悩みだけでなく、プライベートの悩みや生活改善などもアドバイス。「いきいきと働き、いきいきと生きる」ことをサポートします。
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