無理なダイエットで招く女性の「やせ過ぎ」のリスクと対策 第二章
第一章では、若い女性の「やせ過ぎ」が健康問題になっていることについてお伝えしましたが、第二章では、将来病気になるリスクを減らすために「やせ過ぎ」を抜け出すための対策についてお伝えしていきます。
無理なダイエットをすると、将来どうなるの?
若い頃に無理なダイエットを行い、やせ過ぎることで、将来どんな健康リスクが起こるのかについて再確認していきましょう。
第一章では、栄養不足のやせ過ぎによって鉄不足による貧血、冷えや血行不良、免疫力の低下、生理不順や無月経、脂肪をため込みやすくなるなどのリスクがあることをお伝えしました。実はこれ以外にも、やせ過ぎによって高くなるリスクがあります。
やせ過ぎていると、低出生体重児を産むリスクが高くなります。
この理由としては、妊娠した時に母体が栄養不足の状態だと、胎児に十分な栄養を供給することができず、胎児の成長に影響を及ぼしてしまうためです。
また、低出生体重児は、その子が成人してから糖尿病や高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病になるリスクが高いことも、近年の研究でわかっています。
他にも、若くても骨がもろくなり、骨粗しょう症になりやすいという傾向もあります。
女性の骨量は10歳代後半から20歳前後にピークになりますが、このピークの時期に無理なダイエットを行い低栄養状態でいると、強い骨を作ることができずに、若い年齢であっても骨粗しょう症になるリスクが高くなります。
このように、今はダイエットをして理想の体つきを手に入れられたとしても、やせ過ぎによる健康問題は、未来に渡って続く可能性が高いのです。
これならできそう?ちょっとだけ健康、の積み重ね方法。
やせ過ぎによって様々なリスクが高くなる、とはいえ、ダイエットをやめていきなり体重を増やすのは現実的に考えて負担が大きいですよね?
そんな方のために、いきなり健康的な理想体重を目指さずに、日常的に無理なく改善できるワンポイントについて、食事と運動面に分けてお伝えさせていただきます。
《食事面》
健康的にやせ過ぎを解消するためには、食事面を整えることが必須です。
急に食べる量やカロリーを増やすのは、それまでダイエットを行ってきた方にとっては抵抗が大きいと思いますので、食事のポイントを2点だけお伝えします。
・たんぱく質を摂る
筋肉を増やして、健康的に活動できる体を作ることを目指します。
カロリーを増やす意識ではなく、今の食事よりも肉・魚・大豆製品・卵・乳製品などを1品だけでもいいので増やしてみましょう。
たんぱく質は摂り溜めが出来ないので、可能なら毎食取り入れましょう。
(例えば、朝に納豆ご飯を食べる、ヨーグルトにきな粉を入れる、チーズや卵が挟まったサンドイッチを選ぶ、牛乳や豆乳が入ったドリンクを選ぶ、など)
・朝ごはんを食べる
ダイエットをしている方の中には、朝ごはんを食べないという方も多いのですが、実は朝ごはんを食べた方が午前中から代謝が上がり、脂肪が燃焼しやすいため体重管理をしやすい傾向があります。
(朝ごはんを選ぶ際にも、たんぱく質のプラスワンを意識してみましょう。朝ごはんを食べる気力と時間的余裕が無いという方は、牛乳1杯、豆乳1杯、ヨーグルトだけでもいいので、摂取するようにしてみましょう。)
日常的にこれらのことを意識して、少しずつ食事面を理想に近づけてみてくださいね。
《運動面》
やせ過ぎを解消し、健康的に筋肉量を増やすためには、運動をする必要があります。
しかし、いきなりきつい運動をするのではなく、まずは日常のなかで簡単に体を動かす習慣をつけることをおすすめします。
例えば、公共交通機関で通勤する方の場合は、座るのではなく、体の筋肉を使うイメージで立って過ごしたり、2~3階程度なら階段を使用する、下りだけ階段を使用する、など自分のなかで運動のハードルを下げたルールを作るのもいいでしょう。
日常的に体を動かすことに慣れてきたら、筋トレを取り入れると更に効果的です。
体の中でも筋肉量が多い、お腹周りやお尻、足などの下半身の筋肉を刺激してみましょう。
筋肉をつけながら体重を少しずつ増やすことで、脂肪を燃焼するための代謝が上がるため、そもそも太りづらい健康的な体に変化していきます。
体幹や下半身を効率的に刺激するには、スクワットが効果的です。
バーベルなどは使用しなくても、自分の体重のみで十分に効果がありますので、歯磨きをしている時間だけはスクワットする、など日常に組み込みやすい方法で運動することをおすすめします。
若い年齢のうちに無理なダイエットを行って、栄養状態が悪いことの代償は、将来にわたります。
歳を重ねても、健康的で若々しい体を維持していくために、若いときから食事量や栄養バランスを整え、健康的な美しさを目指せるといいですね!
- 株式会社M&Pラボラトリー
文責:保健師 Murakami
Blog ラブ♡健幸
《参照》
厚生労働省 e-ヘルスネット[情報提供]若い女性の「やせ」や無理なダイエットが引き起こす栄養問題
ダイエット
骨粗鬆症予防のための運動 -骨に刺激が加わる運動を
「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針(令和3年3月)」リーフレット
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